ほぼ月いち(令和4年4月24日)〜大拙と幾多郎

4回目のほぼ月いちメッセージになります。

今回の「ほぼ月」は最近読んだ本について記したいと思います。その本は『大拙と幾多郎』(森清著・岩波書店)です。

鈴木大拙と西田幾多郎の出会いから別れまでが書かれており、大正から昭和にかけて、戦争の時代を二人がどう向き合って生きてきたか知ることができました。今回は印象に残った言葉を引用します。

まず、西田幾多郎の歌です。

「人は人吾は吾なりとにかくに吾行く道を吾は行くなり」

人生において自分の道を歩くということを意識させられる言葉です。51歳の自身の生き方として受け止めた言葉となりました。

次に鈴木大拙の言葉です。

「わしは円いものを考えているのだ。これが見つかると、色々の学説が、種々の宗教が、みなうまく説明できるのだ、その円いものを考えているのだ」

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって本日ちょうど2ヶ月目にあたります。戦争は愚かなことだからすべきではない。こんな当たり前のことが否定されている現実と向き合う日々が続いています。人間は「円いもの」を考えることはできないのだろうか。人類は何度も同じ過ちを繰り返し続けていくのだろうか。