ほぼ月いちメッセージ(令和4年6月24日)

ウクライナ侵攻から4ヶ月が経ちました。

戦争が終わる兆しは全く見えません。

ウクライナ情勢について、本日のNHKニュース7の内容をまとめてみました。

ウクライナでは、市民の犠牲が4600人を超え、兵士は1万人死亡し、また、ロシア側の死者は約1万5000人いるのではないかと伝えられました。

紹介された数字を単純に足し合わせると、戦争から4ヶ月の時点で3万人近い人々が亡くなっているということになります。

また、ウクライナ侵攻による難民数も増加し続けており、6月21日時点で800万人を超えています(下記、リンク先に詳細なグラフと数字が出ております)。

ウクライナの難民状況

さらに、番組では、戦争で長期化したロシア市民の中に不満がくすぶっていると紹介された後、部品価格が2倍になった自動車整備会社の経営者が部品調達に苦心しているコメントが流されました。

ここに来て「ウクライナ疲れ」という言葉も聞くようになりました。戦争が始まって4ヶ月、戦争当事国ではない人々にとって戦争は、時間が経過すればするほど、残念ながら遠い存在になっていく現実もあると思います。

番組の最後、米国のシンクタンクの将来予想が紹介されました(断定はできないという前提の予想だそうです)。

その「今後の展開3つのシナリオ」を、紹介させていただきます。

①シナリオ1 ウクライナは徐々に追い込まれる

・ロシアがウクライナを内陸に封じ込める

ロシアが南部の港湾都市オデーサを壊滅させるか封鎖することで、ウクライナを海に面することのない内陸に封じ込めます

・来年後半までには欧米側の結束がほころび

経済的な負担などから欧米側の結束にほころびが生じ

・ドイツとフランスが中心に和平に向けた交渉を働きかけるというシナリオ

→このシナリオだったとしたら、ロシアの勝利と言える結果だと思います。「来年後半までに欧米側の結束がほころび」出すようで、もしこのような結果になった場合、米中の覇権争いはどのような方向に進んでいくか心配してしまいます。

②シナリオ2 ロシアは戦果を得ることができない

・ロシア軍が2月24日以前の支配地域まで押し戻され、

・プーチン大統領は国内から和平合意の締結に向けた圧力にさらされます。

・そして、来年初め頃からトルコ・インドなどが調停者として停戦を強く求めるというシナリオ

→このシナリオは、ウクライナ侵攻以前の状態に戻る想定です。ロシアは侵攻後の領土獲得が不発に終わる想定です。ロシアにとっては得るものがなく、むしろ失ったものが大きい(兵士など死傷者や経済力など)ので、プーチン大統領が何らかの責任を問われることが予想されます。それでも内政を力で押さえることができれば、プーチン体制が存続する可能性もないとは言えないでしょう。

③ウクライナがほぼ全てを取り戻す

・欧米の軍事支援が大幅に増加することで、ウクライナがほぼ全てを取り戻すシナリオです。

・ロシア軍はクリミアを除いて完全な撤退を余儀なくされますが、

・核を使った報復のリスクが高まるとしています

→このシナリオは、ロシアの完敗です。ロシアは、失ったものしかなく、プーチン大統領がその権力基盤を維持するために、最終手段の核兵器使用を決断する可能性が想定されるシナリオです。

私は少し気になる点は、以上の3つのシナリオに中国の役割と影響が想定されていない点です。ロシアへの経済制裁が、当初想定されているより効いていないように受け止めざるを得ないのは、中国をはじめロシアに協力的な国家による支援があるように思えてなりません。この辺りは十分に調べられていないので、想像の域を超えませんが。

そして番組の最後に以下のコメントが紹介されます。

「消耗戦を続ける両国、戦争の終結は全く見えません」

今月の「ほぼ月一メッセージ」もウクライナ侵攻に関わって書かせていただきました。